田舎暮らし満喫ヴィレッジ「天然村」 の日記
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「今月のレシピ7月号」
2014.07.01
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イングリッシュガーデンに憧れて早や30年。本場イギリスのガーデン巡りはできませんでしたが、ガーデン雑誌に取り上げられた「ベスト・チャートの庭」の写真に衝撃を受け、それ以来秘かに師と仰ぎ、コツコツと庭作りを続けて来ました。
「宝石箱のように美しい地上の楽園」と称されるその庭は、40年間水やりを一切していない自然を味方につけたエコロジカルガーデンでもあります。
特にその芸術的センスの光る大地のキャンパスは、淡い色彩のハーモニーと日本の生け花にも通じる天地人の不等辺三角形の集合体から成り立っています。
この背の高い天にあたる部分の植栽は、アーキテクチュラル・プランツ(建築的・彫刻的植物)と呼ばれ、植物の要としてポイントなる場所に配置されダイナミックな景観を作り出しています。
その代表的存在がこのアーティチョーク。威風堂々としたたたずまいを見ていると「ヨッ、男前!」と一声かけたくなる伊達者です。
深く切れ込んだシルバーリーフは、雄大でデザイン性に富んだフォルムと美しいテクスチャーの持ち主。
「よくぞこの姿で生まれてきてくれた」とホレボレ見上げてしまいます。
そんなアーティチョークのつぼみを今日はサラダでいただきたいと思います。
アーティチョークは古代のローマ時代から食用として珍重されて来ました。
肝臓の解毒に効果があるといことで、ワインのお友として人気のアイテムだったそうです。
15世紀に入ると、イアリアで本格的な栽培がされるようになって、美食家として有名なカトリーヌ・ド・メディンチがフランスのアンリ2世に嫁いだ時に同行した料理人によってフランスに伝わり、たちまちヨーロッパ中に広まったとされています。
その時のフォークとレースも一緒に持ち込まれたので、それまで手づかみで食べていた食卓の光景が一変し、レースのクロスの上でナイフとフォークを使い、優雅で洗練された晩餐会が繰り広げられたに違いありません。
おまけに、デザートのアイスクリームやマカロン、オムレツなど初めて口にする、えも言われぬ妙味にキンキジャクヤクして舌鼓を打つ…これって未知との遭遇、目からウロココペルニクス的転回、カルチャーショックってことでしょうか?
当然そこにはカトリーヌの好物のアーティチョークの芯の唐揚げもサーブされたでしょうから、文化の伝播ということを考えると想像しただけで楽しくなります。 <レシピ>
①つぼみは上部1~2㎝ほど切り落とす
②大きな鍋に、塩1つまみ、レモンスライス1個分、月桂樹1枚を入れたたっぷりの熱湯で約45分茹でます <食べ方>
片づつはがして、お好みのソースをつけてガクの付け根歯でしごいて内側の柔らかい所を食べる
ソースやマヨネーズまたは、溶かしバター、バーニャカウダ、フレンチドレッシング、マリネなどお好みでどうぞ! このサラダが大好物の友人は、「やめられない止まらない♪」のかっぱエビせん状態に突入!手と口をフル稼働させてとても幸せそうでした(笑)
何もつけないでそのまま食べてもお芋みたいで美味しいです。ほんのりレモンとローリエの香りが広がります。
近縁種のカールドンも同じ様に調理をして食べられます。 文: 安斎アツ子